公開: 2019年8月3日
更新: 2019年8月xx日
ロールズは、第2次世界大戦後の世界に最も大きな政治的影響を与えた米国の倫理学者と言えます。その思想は、民主主義を重視し、ロックやルソー、そしてカントの哲学の影響を強く受け、公正な国家の政治とはどのようなものであるべきかを論じました。ロールズは、兵士と参加した第2次世界大戦の直後、日本に来て占領軍の兵士として原爆投下後の広島へ入り、その惨状を実際に見ました。その経験を踏まえて、ロールズは、国家が戦争に着手できる条件についても示唆に富んだ記述を残しています。彼は、強大な権力を手中にした米国の大統領でも従わなければならない、人間として守るべき倫理を明確に述べようとしたようです。ロールズは、戦争はしてはならないとしながらも、いくつかの条件が整えば、国家として、武力の行使を問題の解決に利用できるとしました。